Guide
退職金・企業型DC込みオファーは、現金手取りと分けて比べる
転職オファーでは、額面年収だけでなく退職金制度、企業型DC、住宅手当、賞与比率が実質価値を左右します。月々の手取りと、すぐ使えない長期価値を混ぜずに比較する手順を整理します。
結論
退職金や企業型DCがあるオファーは、年収欄だけで見ると不利に見えることがあります。 ただし、毎月使えるお金ではないため、現金手取りに直接混ぜず、 「月々の生活余力」と「長期資産・退職給付の価値」を2段に分けて判断します。
現金手取り差
-12.5万円
年収700万円と680万円の概算
企業型DCの例
33万円
月2.75万円の事業主掛金例
退職金の年換算
30万円
10年で300万円の例
制度価値込み差
+50.5万円
現金手取り + DC + 退職金年換算
年収が低く見えても、制度価値で逆転する例
| 比較対象 | 額面年収 | 年間手取り | 企業型DC | 退職金の年換算 | 判断用の年価値 |
|---|---|---|---|---|---|
現職 現金手取りだけで判断しやすい条件 | 700万円 | 530.6万円 | - | - | 530.6万円 |
退職金・企業型DCありオファー 長期制度価値を別枠で足して評価 | 680万円 | 518.1万円 | 33万円 | 30万円 | 581.1万円 |
この表の「判断用の年価値」は、オファーを比較するための便宜的な見方です。 企業型DCや退職金は、毎月の家賃や生活費に使える現金ではありません。短期の資金繰りを見るときは年間手取りだけを使い、 長期の総報酬を見るときだけ制度価値を別枠で足します。
退職金は、支給条件と税制を分けて見る
退職金制度がある場合でも、自己都合退職、勤続年数、退職理由、支給テーブル、ポイント制の有無で受け取れる金額は変わります。 さらに、退職金は給与と同じ課税ではなく、退職所得として分離して考えます。
勤続年数例
10年
1年未満端数は切り上げて見る
退職所得控除
400万円
20年以下は40万円 × 勤続年数、最低80万円
退職金例
300万円
制度テーブルから置いた仮定
退職所得の例
0万円
退職金が控除内なら0円
国税庁は、退職所得の原則的な計算を「収入金額から退職所得控除額を引き、その2分の1を退職所得とする」形で示しています。 短期退職手当等や役員退職手当等では扱いが変わるため、実額は税理士や会社資料で確認します。
企業型DCは、手取りではなく長期資産として評価する
企業型DCの事業主掛金は、給与として毎月振り込まれるお金ではありません。運用商品、手数料、マッチング拠出の可否、 転職時の移換手続き、受け取り時期まで含めて確認します。
掛金
会社が毎月いくら拠出するか。給与の一部を選択制DCに回す制度か、会社上乗せかを分けます。
運用と手数料
元本確保型だけでなく、投資信託の信託報酬、加入者手数料、商品ラインナップを見ます。
転職時の扱い
転職先の制度、iDeCoへの移換、手続き期限、口座管理料を確認します。
オファー面談で確認するチェックリスト
- 退職金制度の有無、対象者、自己都合退職時の減額、勤続年数ごとの支給テーブル。
- 企業型DCの事業主掛金、選択制か上乗せか、マッチング拠出、商品ラインナップ。
- 賞与、住宅手当、在宅勤務手当、通勤手当、持株会、ストックオプションの条件。
- 月々の現金手取りだけで生活費・貯蓄が足りるか。
- 3年以内に辞める場合と10年以上働く場合で、どちらが有利か。
厚生労働省の労働条件Q&Aでは、採用時の労働条件として、賃金、労働時間、退職に関する事項に加え、 定めがある場合は退職手当の範囲、計算方法、支払時期なども明示事項に含まれると説明されています。
参照した公的情報
次の一手
退職金・企業型DCまで含めてオファーを比較する
年収欄だけでは、毎月の手取りと長期の制度価値が混ざります。市場価値診断や求人比較を見るときは、退職金、企業型DC、賞与、残業時間を同じ表にしてから判断します。
転職・市場価値診断サービスへの広告リンクを含みます。
市場価値とオファー条件を確認する